対応力ある実践的体づくり
【身のこなしをつくる】
ルールある中で突発的・不規則的への【対応力】身につける
身体内適応、身体外適応が高まってくると、
より実践的に体の機能や能力を高めていく練習を行います。
生活環境の中は、規則正しく決まった法則というものは少なく、
常に不規則で予知できないことが多く起きてきます。
その中で、培ってきた能力を発揮できるようにならなければ、
本当の意味での運動能力の向上ということにはつながりません。
そのため、色々なルールや環境設定の中、判断力・瞬発力・行動力・操作性・俊敏性・巧緻性など、総合的な能力を高めていくことが必要になります。
子どもたちの動き自体、自由かつ不規則なものであるため、
型にはめすぎることは、その能力の開花にブレーキをかけてしまう可能性もあります。
同じ動作の反復(スポーツ動作の繰り返しなど)の刺激と量が多ければ多いほど、型にはまってしまい、総合的な能力に偏りが生まれてしまいます。
体づくり・動きづくり・多様な運動の中で実施してきた運動に加えて、
くむ・たおす・つかむ・ひく・おす・おさえるなどの、人に合わせた動きを取り入れた複合的な運動を行うことで、様々な機能や能力を統合して総合的な能力を引き出し、高めていきます。
もちろん、自由かつ不規則な環境にて運動が行えるようにルールを
工夫することが求められます。
ここで重要なのは、大人が介入してルールを決めてしまうことで、
不自由かつ規則的な環境になってしまうため、
この段階では子どもの世界に大人が介入せず、
子どもたちの自由な発想を活用していくことが大切です。
具体的には、大人が介入することで起きる弊害(少し大げさですが…)
として「小さな危険」を体験する機会を失います。
「危ない!やめて!だめ!」という声かけが生まれ、
子どもたちはトライするチャンスが奪われてしまいます。
この小さな危険とは「ぶつかる、ころぶなど、痛みを伴う体験」をすることです。子どもたちはこの体験で「これはあぶない」という線引きが行えるようになります。それにより、自分の限界ラインを知るこができるため、限界を少し超えたところへの「頑張ってみよう!」というモチベーションが生まれること、限界を大きく超えたところへの「これはできないな」という判断が生まれるため、運動や遊びにも安全が確立していけます。
こうした成長により、少し超えたところへのトライ&エラーで成功体験と失敗体験をつんでいき、体も心も成長していきます。
このトライしよう!というモチベーションも、集団の中で友だちが頑張っている様子を隣でみることにより、自然と背中を押されて芽生えてきます。
なのでこの時期の子どもたちは、単独で遊ぶよりも集団で遊ぶことで限界ラインを超えていくモチベーションが生まれやすく、体や心、
運動の発達を促してくれます。
複合運動ではこうした狙いのもと、友だちと協力しながら、思いっきり体を動かし、しっかりと楽しんで汗を流します。
【4つのステージ詳細】
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【教室のテーマとプラン】
実際の教室では1年間をいくつかのクールに分けて、
様々なテーマを設定して体育プログラムを作成します。
・体づくり運動
・動きづくり運動
・多様な運動
・複合運動
4つの要素の割合を変えながら、
より高度で巧みな動作を身につけていくプログラムの全体像になります。
また、4つの要素は相互関係性が高く、
姿勢がよくなれば動きがよくなり、操作性が高まります。
操作性が高まれば、姿勢をよくする運動の質も高まり、
より姿勢がよくなるという関係性です。
そのため、1年クールで考え、下記のような配分(イメージ)で年度を繰り返していくようになります。
●幼児クラス(50分)
3ヶ月 | 6ヶ月 | 9ヶ月 | 12ヶ月 | |
体づくり | 30分 | 25分 | 20分 | 15分 |
動きづくり | 10分 | 15分 | 15分 | 15分 |
多様な運動 | 5分 | 10分 | 10分 | 15分 |
複合運動 | 5分 | 5分 | 5分 | 5分 |
幼児クラスの場合は、まっすぐ立ち、
思うように体を動かせるようになっておくべき年代であるため
「体づくり」と「動きづくり」が非常に大切な時期です。
そのため、この2つの要素にかける時間が比較的多くなり、
身体内適応を高めピラミッドの土台をしっかりとつくっていきます。
また、体力的にも運動量は十分確保できます。
土台は大きければ大きいほど理想的であるため、
年度スタートは体づくりをメインに行っていきます。
●小学生クラス(60分)
3ヶ月 | 6ヶ月 | 9ヶ月 | 12ヶ月 | |
体づくり | 25分 | 20分 | 15分 | 10分 |
動きづくり |
20分 | 20分 | 20分 | 20分 |
多様な運動 | 10分 | 15分 | 15分 | 20分 |
複合運動 | 5分 | 5分 | 10分 | 10分 |
小学生クラスの場合は、年齢的に色々な環境に合わせて動くことを習得し、巧みさを少しずつ上げていく時期になります。
そのため、体づくりをウォーミングアップのようなイメージで活用しつつ、立ってからの運動である「動きづくり」「多様な運動」をメインにして、身体外適応を高めていきます。
神経系の発達が促されていく時期でもあるので、
色々な運動刺激を加えながら運動量を確保していきます。
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