理論背景のご案内
最前実践現場で活用される理論
G♡I子ども体育くらぶの体育プログラムは、3つの理論背景をもとに作られています。子どもたちの体づくりに必要と考えている要素として、
身体内適応力:体の内バランスの仕組み
身体外適応力:体の外バランスの仕組み
視覚力 :空間を立体的に捉える見る力
この3つの力が挙げられます。
これを身につけて高めていくために取り入れている理論背景は以下の通りです。
身体内適応:コアコンディショニング
身体外適応:アダプテーショントレーニング
視覚力 :ビジョントレーニング
体育プログラムには、この3つの理論背景をふんだんに盛り込み、体の土台づくりを行っています。
まっすぐ立ち、思い通りに動く
コアコンディショニング(略 コアコン)とは、その名称の通り「コア(体幹)の調整」を行う運動方法で、一般財団法人 日本コアコンディショニング協会(略 JCCA)が提唱しています。
その目的は、良好な姿勢と効率の良い動作の獲得です。根幹の理論になっているのは「ヒトの発育発達過程」であり、いわゆる赤ちゃんの動きと成長のプロセスをもとに構築されている運動方法です。
赤ちゃんを授かってからお母さんのおなかの中で過ごす十月十日と、立って歩けるようになるまでの約1年間の間に行われる、赤ちゃんの動きの中で、重力に適合して二本の足で立って歩けるようになるコア(体幹)の機能を獲得していると考えられています。
この過程を運動に落とし込んだのが、コアコンディショニング。それを子ども向けにまとめたものが「コアキッズ体操」です。G♡I子ども体育くらぶでは、コアキッズ体操を活用して、体づくり運動や動きづくり運動を行っています。
ヒトという動物であれば、誰もが通るこの過程で、一度はコアの機能を獲得したのですが、その後の生活環境の中の体の動かし方のクセなどにより、その機能を失ってしまっているケースが多くあります。
そのコアの機能をよくするために、一度通ったことがある過程に合わせて運動を行うことで、体の動かし方のおさらい(再学習)になるため、再現されるスピードがはやく定着した効果につながりやすくなります。
コンテンツアドバイザー
竹原亮紀
株式会社クリエクト代表取締役
G♡I子ども体育くらぶ代表
コンディショニングスタジオ コア×コア代表
(一財)日本コアコンディショニング協会
運営委員長/A級講師/MT
(一社)日本視覚能力トレーニング協会
スーパーバイザー
JCCAは全国に約3500名の会員が所属する国内屈指の指導者団体。
所属する指導者は、運動指導者、医療関係者、治療家、介護職、スポーツトレーナー、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクター、学校関係者など、職域は幅広くコアに関する最新情報を各業界へ発信している。
協会の統括理事職を経て、現在は運営委員長の任を任されており、主な役割はコンテンツ(セミナー)作り、指導者育成、認定資格者育成、認定講師育成と、協会の根幹となる事業を任されている。
広島を中心に全国主要都市での育成セミナーを担当しており、業種を超えて多くの指導者からの信頼が厚く、育成された認定指導者や認定講師が全国で活躍している。
コアコンといえば竹原!と言われており、その人柄も明るく陽気で、常に笑いが絶えないわかりやすいセミナーは、リピーターが生まれるほど好評を得ており、業界ではその名が通っている。
また、同アドバイザーの飯田氏が理事を務める「一般社団法人 日本視覚能力トレーニング協会(VATA)」の提唱する「眼・脳・体の協調を高めていくVATA理論」にも精通しており、スーパーバイザーとして活動に参画している。
同じくアドバイザーである中鶴氏が提唱する「アダプテーショントレーニング理論」も、同氏が理論発表する以前より10数年ほど感覚的に現場指導で活用しており、この理論に出会った際に自分がやってきたことが確立されたと実感する。
脳科学を基軸にしたアダプテーショントレーニング理論にも、かなり精通している。
そのコアコンを熟知し、ビジョントレーニングに精通し、アダプテーショントレーニング理論を実践してきた彼が、G♡I子ども体育くらぶを立ち上げ、体育プログラムの根幹に理論を落とし込んでいる。G♡I子ども体育くらぶは、彼が主宰を務めているということも、他に類を見ないストロングポイントである。
バランスを高め、巧みに動く
アダプテーションとは「適応」「合わせる」という意味があります。アダプテーショントレーニングとはこの適応する力を高めるためのトレーニング方法です。
私たちヒトという動物は、何かしらの形で自分以外の環境に合わせて体をいろいろと調整して生活しています。
この自分以外に合わせる「適応反応」は、私たちが生きていく上で、とても大切な機能になります。環境は一定ではなく、変化しているものであるため、環境に適応する力がなければ生きていくことが、とても難しくなります。
この適応能力は小さい頃から様々な運動を通して育まれていきます。
「向こうに行くために飛び越えたり、乗り越えたり」「体を持ち上げるためにぶらさがったり」「楽しいことを行うために、くぐったり、渡ったり」
こうした様々な運動を実際の環境や目的の為に、体を無意識に調整しながら運動を多様で適応能力に満ちたものにしていきます。
ところが、最近の子どもたちに、環境適応能力を学習できるような環境が、ほとんど失わられています。例えば、公園です。遊具が撤去されたり、ボール遊びが禁止されたり、整えられた平地になっていたり。なぜ、このような環境になっているか?それは「危ないから」です。
アダプテーショントレーニングでは、こうした環境の変化による運動刺激の不足を補うように、環境を通じてでしか学べない4つの動作(くぐる・わたる・のぼる・ぶらさがる)をトレーニングとして安全に提供し、よりよい運動学習を促すように理論だてられています。
このようにアダプテーション能力は、赤ちゃんの動きや、歩く・走る・跳ぶというような運動の基本となる動作と、4つの動作と融合させながら、あらゆる環境下で運動することで開花していきます。
鉄棒のためにぶらさがる運動を行うのではなく、環境適応能力を身につけるために、ぶらさがる運動を行います。そうすることで、鉄棒という環境に体が適応し始め、練習することなく、鉄棒ができるようになります。
要するに、その特定の動作の繰り返しを練習として行うのではなく、動作を行えるための能力を身につけるため、体の動かし方の練習を行うというイメージです。
このトレーニングの最大の特徴はコアコンと同様に、ヒトという動物の能力を引き出すことを目的にしているため、子どもから高齢者まで、あらゆる対象に対して実施することが出来ます。そして、ほとんどの方が体の変化を体感し感動できるので、モチベーションアップにもつながります。
この劇的な変化の体感は、子どもであっても大人であっても、やる気スイッチとなり、本人が持つ潜在能力を最大限引き出すことにつながります。
コンテンツアドバイザー
中鶴真人
株式会社TEHM 健康増進部 部長
アダプテーション理論ディレクター
作業療法士
療育アドバイザー
(一財)日本コアコンディショニング協会
A級講師/MT
(一社)日本視覚能力トレーニング協会
スーパーバイザー
活動:鹿児島県
ブログ:健康増進部長の独り言
作業療法士として超急性期から超慢性期のリハビリテーションに携わる。病院にて疾患患者、老人保健施設にて高齢者への機能訓練、精神科にてアルコール依存症や統合失調症感謝へのリハビリに従事。
そのキャリアの中で、コアコンディショニングや脳生理学と出会い、脳の機能を中心とした独自の理論である「アダプテーション理論」を確立する。この理論はヒト本来が持つ心身の機能を引き出し、回復不能といわれていた患者の回復、発達障害の烙印を押された子どもたちの健全な成長など、多くの奇跡的な事例を生んでいる。そのため、心身の不調や問題を抱え途方に暮れている方が、彼を求めて足を運んでくる。
現在は鹿児島市にある「堂園メディカルハウス」を運営する株式会社THEM(ゼム)の健康増進部長として、脳科学に基づいた独自の理論でより多くの方の助けとなるため、全国でセミナー講師として活動している。加えてコアコンディショニング協会(JCCA)の講師としても全国で活躍中。
また高齢者デイサービスや幼稚園・保育園・児童発達支援事業所などで、運動プログラムの提供、職員研修、現場指導に携わっており、顧問契約を結ぶ施設は15施設を超える。
また、同アドバイザーの飯田氏が理事を務める「一般社団法人 日本視覚能力トレーニング協会(VATA)」の提唱するVATA理論の「脳科学」についての理論提供を行うスーパーバイザーとして活動に参画している。
G♡I子ども体育くらぶの代表を務める竹原氏とは、10数年来の旧知の中であり、その活動のサポートを行うため、アドバイザーに就任。
現在の医療現場や運動現場で信じ切られている古き良き理論にメスを入れ、改革的に情報の刷新と本質を捉えた指導者育成に情熱を注ぐ毎日を送っている。
見る力を高め、空間を把握する
ビジョントレーニングとは「視覚能力を高めるトレーニング」です。視覚能力とは「眼から入力した視覚情報を脳で最適かつ素早く判断し、体を動かすまでの一連のプロセスを効率よく行う能力」のことです。
具体的に言えば、目の前にある環境の距離感や奥行きなどの様子を眼で捉えることで、その情報が脳に届きます。そうすると脳の中で環境を立体的にイメージできるので、空間をしっかり把握できます。すると脳と体は、その環境の中で一番効率よくスムーズに動けるプログラムを瞬時に生み出し、思ったように体を動かせるようになる。ということです。
なので「両眼視」といわれる両方の眼で見ることが出来ていない、いわゆる「片眼視」という片眼で見るクセがあると、距離感や奥行きがうまく捉えられず、空間を把握できなくなるため、動き方がギクシャクしてしまい、簡単に言うと「変な動き方」になってしまいます。
この一連の流れは3つに分けることができます。この3つのプロセスがビジョントレーニングのポイントになります。
入力:両眼で見る
情報処理:脳の中で空間を把握する
出力:体を動かす
ビジョントレーニングは3つのプロセスごとに構築されていて、上達してくると2つないし3つを複合的にトレーニングするようになっていきます。
➀入力が苦手でうまく見えていない人も入れば、➁情報処理が苦手で時間がかかってしまって反応がわるい、➂出力が苦手でそもそも体がぎこちない動きしかできない、などポイントごとにトレーニング要素が変わってきます。
従来のビジョントレーニングは①入力を高めることに長けているため、➁情報処理を補うため脳の働きを活性化するアダプテーション理論、➂出力を補うためコアの働きを高めるコアコンディショニングと、融合させる必要があり、それらを融合したものが、一般社団法人 日本視覚能力トレーニング協会(VATA)が提唱する「VATA理論」です。
眼で見るということに必要不可欠な要素が「体の中心軸」であり、その中心軸を作るためのコアコンディショニング、作られた中心軸を脳の中でイメージとして描き出す「アダプテーション理論」との融合は、元来のビジョントレーニングとは違い、新しく進化したものとなりました。
VATA理論とは、眼と脳と体の関係性を高めるために考案されたビジョントレーニングとなります。
野球の守備で例えると、バッターの打ったボールの動きを眼で追う「入力」、そのボールの行方に対して自分がどう動くのが最適か判断する「情報処理」、瞬時に移動してプレーする「出力」となります。
仕事では、パソコンの文字を眼から「入力」➡「情報処理」、キーボードで打って「出力」します。
学業では、教科書の問題を「入力」➡「情報処理」して、ノートに解答をペンで書きだす「出力」となります。
このように眼は日常生活に深く関わるもので、視覚能力をトレーニングによって高めることは、スポーツのみならず、ヒトという動物が健やかに生きていくためにも必要不可欠な要素です。
また、赤ちゃんの発育発達の中で「定頸」といわれる首がすわることで、体の中心軸が明確になり、そうすることで見る力が高まっていきます。首がすわった赤ちゃんは眼でものを追ったり、見たものに手が伸ばせるようになります。この過程から見ても、生後早い段階で見る力を身につけるため、ヒトという動物が動くためには、とても重要な要素であることは間違いありません。
コンテンツアドバイザー
飯田覚士
飯田覚士ボクシング塾 ボックスファイ会長
(一社)日本視覚能力トレーニング協会
代表理事
岐阜経済大学 客員教授
JCCA スーパーバイザー
第9代 WBA世界スーパーフライ級
チャンピオン
プロボクシング世界チャンピオン会 理事
活動地域:東京都
著書:
ボクシング・パーフェクトマスター(2007.05)
脳を育てるからだ遊び(2008.12)
おうちで簡単ビジョントレーニング(2016.12)
人生を変える見る力(2018.05)
リンク:ボックスファイ
1969年8月 愛知県名古屋市出身。
岐阜経済大学に入学しボクシング部に入部。ここがボクシングキャリアのスタートとなる。10戦7勝3敗というアマチュア戦績。在学中に日本テレビ系「天才!たけしの元気が出るテレビ」の人気コーナー「ボクシング予備校」に出演し、アイドル的な人気と注目を集める。
1991年3月にプロデビュー。1992年に新人王。1994年に日本チャンピオンになる。
その後、1996年、1997年に世界戦に挑戦するも敗北を喫し、3度目となる挑戦で世界タイトルを獲得。大学からボクシングを始め、しかも経済大学を卒業した世界的にも珍しいチャンピオンの誕生となった。
このタイトルは2度の防衛に成功。1998年12月の3度目の防衛戦で、試合中に右肩脱臼というアクシデントにみまわれ、判定負けを喫して王座を明け渡す。この試合を最後に引退。プロ通算戦績は28戦25勝2敗1分(11KO)
現役当時から日本のビジョントレーニングの第一人者である内藤貴雄氏に直接指導を受け、自らのビジョン能力を高めるとともに、多くのセミナーにも参加して学びも深めていく。引退後、選手での経験、深めた学びなどをいかして、ビジョントレーニングとコアコンディショニングを融合させた子ども向けのオリジナルプログラムを開発。2004年に東京都中野区に「飯田覚士ボクシング塾 ボックスファイ」を設立し、子どもたちの指導にあたる。
現在はビジョントレーニングの普及のため、現場指導を積極的に行う傍ら、全国各地にて指導者向けセミナーや一般向け講演会を精力的にこなしている。
またボクシングの底辺拡大を唱え、テレビでのボクシング解説、雑誌の連載、書籍執筆など、プロモーション活動にも力を入れている。